長谷寺霊験記の夢この長谷寺は天平時代に建てられた奈良県桜井市にあるお寺で、本尊の十一面観音は特に霊験あらたかといわれています、この木造の観音像と同木分身と称して全国に長谷寺、新長谷寺は 110余りに及ぶといわれています。(鎌倉の長谷寺が有名)この「長谷寺霊験記」には不治・難病で苦しむ人々が観音様に一心に祈願した結果、不思議な御利益をいただいた話しが記録されています。その一、癩病で苦しんでいた清原夏野という大臣は、長谷寺に籠って七日目に仏教を守護する護法童子が現れた夢を見ました。「あなたの病気は過去世の業によるもので、本来なら癒すのは難しい、けれども観音様が癒すのを私にお命じになった」――と護法童子はこう告げた後に、とても長い舌をペロリと出して大臣の体をくまなく嘗め回した。そして清原夏野は夢から覚めてみると自分の癩病があとかたも無く消えていたのでした。 その二、下級貴族の従五位下の大江広澄は背中一面に腫れ物ができて、そのうち5ヵ所が破れて膿が吹き出すという病気に苦しめられていました、薬も医者も使ってさまざまな手当てをしましたが、いっこうに良くならないため大江広澄も長谷寺に籠りました、するとその日に観音菩薩の使いの童子が夢の中に現れて「赤い膏薬」を張ってくれました、そして目が覚めましましてみますと腫れ物は跡形もなく無くなっていたのでした。 以上のお話をお読みになって、そんな馬鹿なウソだ思われるかもしれませんが、こうした不思議な夢の癒しの現象は間違いなく実在するのです。といっても神仏が実際に現れて癒すわけではありません、おそらくその夢を見ているその人自身に秘められた無意識的な自然治癒能力が神仏のイメージを介して強力かつ集中的に働いてそれによって病が治されたケースがほとんどだとおもいます。こうした力は無意識の領域に宿つているだけに、欲したからといって自由に使えるわけではありません、まだメカニズムは解明されませんが、エゴが無力化し自力に対する誤った思い込みが消えて、自我を超えた無意識の力(神仏もそれを介して働きます)にすべてを託せるような気持ちになれたとき、しばしばこの力が発動されるための環境が整うことが経験的にわかっています。夢見の状態は自我意識の働きが極度に押さえられるため、こうした現象が起こりやすいのです。(不二龍彦著・「夢にまつわる不思議な話」より) KMより |
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