五星博覧会体験レポートBY ゆーと

3月19日午後1時。私は東京は神田、損保会館の前で、春を先取りしたかのような南風を感じていた。時折、乱反射した陽光が瞳の中に飛び込んできたが、それは決して不快なものではない。これから赴く場所の事を思えば、むしろそれは私の期待を祝福しているかのような錯覚を与えた。汗ばむような陽気・・・決してそれは早足で急いできたからではない。・・・ないったら、ない。そんなことはこれから行く場所のことを考えたら、まったく無意味で、瑣末な事である。・・・いや、ほんとだってば。

そう、迷子になって損保会館にたどり着くのに駅から40分〔通常7分〕もかかったことも大した事ではない。また、会場に向かう前に大学で友人に『捕獲』され、会場につくのが午後になってしまったことなど大自然の摂理からみれば本当に些細な事だ。

『進行方向が常に北』という超方向音痴の私が地図もなく会場につけたのは、まさに神が与えたもうた奇跡だろう(もっとも、ほとんどの場合地図があっても迷子になる)。しかし、そこに至るには幾多の関門が待ち構えていた(嘘)。まるで迷路のように入り組んだ道(大嘘)をさまよいながら、私は損保会館を探しつづけていた。しかし万策尽き、仕方なく用もないのに立ち寄ったコンビニで道を尋ねる。『あのー、損保会館ってどこですかぁ?』・・・中年女性の店員さんはにこやかに答えた。『その道をまっすぐ行って下さい』と指さしたは私が歩いてきた方向。 ああああああ。

店を出ようとしたとき、唐突に何かを忘れているような気がして立ち止まった。違和感というか・・・。ビルによって四角く切り取られた空の下、私は何がひっかかったのかを自らに問うた。何だ?何が引っかかってるんだ?今の店員さん、浅香光代に似てたなぁ・・・いや、関係ないか。結局何を感じたのかわからぬまま、私はもと来た道をすたこら歩いていくのだった。
・・・そういった数知れぬ苦難(?)を越えて、遂に着いたは損保会館・・・FSSオンリーイベント『五星博覧会』の会場である。

実は、私はこういう即売会などのイベントに参加した事が一度もない。正確に言うと、会場に足を運んだ事が一度もない〔注1〕。そういうわけで、どんな雰囲気なのか、どういう人たちがいるのかは人に聞いたことはあるが見たことはないのだ。大体の想像はつくものの、やはり不安がなかったといったら嘘になる。黒いジャケットにスラックス、タートルネックのセーターを着た私はひょっとして強烈に浮いてるんではないか・・・という考えがむくむくと脳裏で鎌首をもたげる。(ならそんな格好で来るなという話もある)

私は意を決して、百戦錬磨の強者が待つ戦場へと足を踏み入れたのだった。損保ビル6階が会場。他の階では富樫イベントが開かれていたようだった。が、そんなものには目もくれず(ちょっと嘘)6階へ。エレベーターの扉が開くと、まず目に飛び込んできたのがKOGの超美麗イラスト。か、かっちょええ〜・・・おお、なんかこれだけでも来た意味があったような気がする(大袈裟)。ふと人の気配を感じて右に視線をやれば、すぐ近くに会場受付が。おおおおお。まだ心の準備が。・・・などとアホな事を考えながら、入場券を兼ねるパンフレット(400円ナリ)を購入し、遂に私はその場所に踏み入れようとした、そのとき。

どかどかと入り口からコスプレの方たちが出てくる、出てくる。6人ほど休憩のためかまとまって私の前を通り過ぎていく。ああああああ、ファティマが、シバレースが〜。いきなり先制パンチを食らった私は、進路妨害にならぬよう通路にへばりつきご一行様が更衣室の方へ去っていくのを見送った(アホ)。そして、今度こそ遂に、私はその場所へと足を踏み入れたのだった。

第一の感想。・・・人がいっぱい。とにかく大盛況。学校の教室に換算して4部屋くらい(もっと広いか?)にあたる会場に、百人単位で人があふれている。おお、盛り上がってるぞー。ざっと見渡すと、壁際に通行妨害にならぬよう客が休み、あるいはパンフを見ている。会場には入り口の前にまず本部。そこから左方向へと向かって机が縦に4列に並び、真中で二つのブロックに分かれている。2列1ブロックで一つの区画を構成し、それぞれデルタベルン、カラミティ、ジュノー、ボォスと名づけられている。そして一番奥にはカメコたちが群がる、コスプレ撮影スペース。おお、なんかすごいぞ、何がすごいのかはよくわからないが。

ほとんどが私の予想していたとおりだったが、大きく違っていたことがある。それは、『マナーが異常なほどいい』ということと、『ぜんぜん排他的じゃない』ということ。うわぁ、いい人ばかりだぁ。まず、人数によって手狭になってる会場では、すれ違うときに必ず『すみません』と一言かけていく。これは当たり前にできそうで、できないこと。例えば、某ワンフェスのときは・・・いや、何も言うまい。とにかく、皆さん礼儀正しく、かつ熱い。1人感心しつつ、私も壁側によってまずパンフのサークルカットを見る。このパンフがまたすごくよい。とりあえず、隅まで熟読する。

大体、読んだところで、大本命のあづま祐季さまの『最高機密』、oblateさま、桂花堂さま、CIA書籍さま・・・・などその他大勢のスペース位置関係を把握する。まさかここでは迷子にはならないだろう。というわけで、まず、あづま様のところへ顔を出す。おお、たくさんあづま様の同人誌あるよ、マジで(当たり前)。しかもお子様といらっしゃるのはあづま様ご本人では!?声をかけようかと思うものの、まず先に購入しようと思い、新刊含む何冊かを購入しようとしたそのとき。・・・・あれ。あれれ。・・・・・・・しまったぁぁぁぁぁ!!万札しかねぇぇぇぇぇぇぇ!金をくずすの忘れてたぁ!そうか、コンビニで感じた違和感の正体はこれかぁ!仕方なく万札をおずおずと差し出す。すると奥のほうから売りこさんが千円札の詰まったかばんをわざわざ開けて対応してくださる・・・なんか私的にはあづま様に声をかけづらくなったので、売り子さんに謝りながらそそくさと退散。ああっ、私の馬鹿〜。

しかも、私は風邪気味で咳ゴホゴホ。迷惑にならんようにしてたつもりですが・・・・・・・結果としてはなってたかも。どーもすみません。

同人誌はファティマ、騎士ネタが多いものの、MH物もあり。MHの場合、描かれている線の数が半端じゃないので、大変苦労されているのがよくわかる。いくつか見て回ったそのとき、声をかけられたので、何気なく見たら某HPのイラストと雰囲気が似ている。そこで逆に『HP持ってらっしゃいますよね』、と尋ねたらひどく驚かれたご様子。でもHPは最近閉鎖されたということ。残念。近日復活されるそうなので一安心。復活したら遊びに行かせていただきますね。

会場をぶらぶらとしながら、あちこちで同人誌を購入。お財布ピーピー。でも満足。どうせなら、もう少し早く来るんだったなぁ・・・・。少し余裕が出てきたので、周囲の人々を観察。10代から20代前半の方が多いものの、30代、40代の方も結構いらっしゃる。また、コスプレも男性が結構いらしたのでちょっとびっくり。カイエンの『滅』の着物?のコスプレしてる方がいて、凄くかっこよかったです。巴の方もいらっしゃったようで・・・私は残念ながら見てない。全体としては、プラスチックスタイルが結構多かったような気が。ノイエシルチスなど、意外にもフィルモア大人気。5話が始まるまでは考えられなかったこと。強いて言えばシューシャ・パラーシャは前からいたかも。

全体としてはすごく垣根のないイベント、というのが適切な表現。和やかな雰囲気。『即売会』という言葉のもつ一般の『負のイメージ』など微塵も感じない。いいなぁ、こういうのも。二時間かけて来た意味あり。しかし、このイベントのために4時間以上かけてきた方も結構いるとのこと。脱帽。そして満足した私の一日はここで終了・・・・と思いきや。まだ最後にどでかいイベントが残されていたのであった。・・・そう、14:00に開始の大抽選会。パンフレットの末尾に番号が記載されており、その番号が抽選番号となっているのである。

賞品は・・・特製ポストカード5枚セット(5名様)、それと特製フォトアルバム(5名様)。そして今回の目玉。直筆イラスト入り色紙。しかも5名様。あづま祐季さま、萱さま、増羽冬華さま、リキ☆さま、紅林蒼子&貴乃玲さまのイラストを先着順で選べるというもの。おお、太っ腹。二時になると同時に会場アナウンスで番号を発表。ところが・・・・・

なんと、発表したにもかかわらず、当選者が名乗りでてこないという事態が大量発生。これの原因として考えられるのは、盛り上がりまくっていたコスプレスペースの方たちが、全く抽選に気づいていなかったこと。・・・・もったいない。結局何度も再抽選が行われる事になり、私としてはその分チャンスが多くなるのでラッキー。よーし、あったれっ〜!

・・・結果は・・・・ご想像のとおり、全滅。私の番号が293ですから、人数考えれば可能性が低いのは当然といえば当然。でも残念。閉会までその後の時間の都合でいられなかったもので、未練がないといえば嘘になるが、大体においては満足のうちに五星博覧会の会場を後にしたのだった。めでたしめでたし。

ただし、そのあと今度は池袋で予約していた本を購入、中野の友人の家へ直行。さらに埼玉県は川越市にて友人と飲みに行き、家に帰ったのは午前0時20分。まだまだわしも若いのぅ。

それにしても、イベントの運営をしている方たちのご苦労が会場各所で察せられました。本当にお疲れ様でした。一般の参加者の1人としてお礼を述べたいと思います。ありがとうございました。

(注1)
私が同人誌の即売会会場に行ったのは今回が初めてです。が、じつは1997年夏に有明の某同人誌即売会にて私が脚本、校正などを担当した作品(一応オリジナル・・・かな?)が出品されたことがあるんです(初公表)。・・・友人に頼まれまして。因みにそのときのペンネームは佐見陛雅(友人)と伯邑遊人(私)。元ネタわかった方は笑ってやってください。
私はバイトの関係で会場に行けなかったんですけれどね。友人はその後、CG描きからパソコンの悪の道に染まり(笑)、その後私とこういったイベントの縁はありませんでした。ただ、友人に教わって専門用語だけは知ってたりするんです(笑)。ちなみにそのときの作品は私の手元にないです。何十部か売れたそうなので、どっかにあるかもしれないんですけどね。まぁ、別にいいですけど。

(注2)
カメコ(=カメラ小僧)という言葉は悪意を持って使用しているわけでは断じてありません。念のため。私の友人にもいますし。もし失礼と感じた方がいらっしゃいましたら申し訳ありませんでした。

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