独言倶楽部

カセットテープ
私が中学から高校にかけての間の「音楽」を聞く手段は「カセットテープ」であった。
カセットテープへレコードから録音。ラジオから録音。ライブで録音…とまぁ、重宝したものです。え〜私が記憶している限りでは、小学校のときにカセットテープがあまりにも高価なものだったので、ディスカウントストアなどで、10本でいくら…という安物のテープを使っていたものです。金持ちの友人は、バラコン(ユニットになっているステレオはコンポ。チューナーやデッキを別々に繋ぎ合わせたものをバラコンと呼んでいました。)で録音したメタルテープと呼ばれる非常に高価なカセットテープを使っていて、それだけを自慢していたような気がします。メタルテープ、フェリクロームテープ…本物の音に近づけようとみんな必死だった頃の話です。私の場合、高価なデッキも持っていなければ、高級なレコードプレーヤーさえありませんでした。だから「音」には無頓着だったような気がします。聞ければいいや!…って感じでね。でもミッチのレコードをきれいな「音」でカセットに録音したくて、その時だけは、いやな友人に頭を下げて 頼みに行ったこともありました。その時は、奮発して、メタルテープで録音してもらい、そのテープは本当に「宝物」でした。でも接触式の再生だから、回数を重ねるごとに テープが擦り切れ、おまけに夏の暑さにテープが延び、ミッチの美声がいつのまにか おばさんの声に変わってしまったこともありました。
レコードで聞いても良いのですが、なんせレコードは針で音を出していると言う観念から、聞くたびに溝が減ってしまっていると考えて、1回録音したら、2度と針を落とさない…と言うことを貫き通しました(笑)それだけにカセットは宝物だったのです。レコード…ジャケットから取り出したときのレコードの素材の独特の「におい」が懐かしく思います。
指紋を付けないようにレコードの縁を両手で大事に持ち、次に片手に持ち直します。この時に絶対に溝に触れてはいけません。新品だけど、一応念の為 ほこりを取るクリーナーで溝にそってブラッシングします。古いレコードならば念入りにほこりを取り除きます。それでも、気に入らないならば、スプレー式のクリーナーを吹き付けるわけですが、間違えて キンチョールを吹き付けると、それはただの 笑い話になるだけです。
それを終えたら再び両手でターンテーブル上へ移します。やっと再生の準備が完了します。おもむろにアームをレコード上へ移し…息を止め、そ〜っとレコードの上に静かに降ろすのです。この時に誤って 強く落とすと溝に傷が付いてしまい、のたうちまわって悔しがるのです。(笑)さて 針がレコードの上に着地を決めたらもたもたしていられません。すぐにカセットデッキのポーズを解除し、やっと録音の始まりとなるのです。ここで気を付けなくてはいけないのが、録音のレベルチェックは当然、一番の障害は「振動」でした。当時は妹も小さく、そんなことはわかりません。部屋にものすごい勢いで入ってきたら、それは もう大変。…そう振動で針が飛ぶんです。そうなると妹を殴る前に、溝の確認が先で、無事であれば、泣く泣く最初からやり直し。飛んでしまった曲の前から録音すれば良いのかもしれませんが、私は「途中」というのがきらいでして、最初からやり直しておりました(笑)ちなみにその後に妹を殴るなんて、非人道的なことはしません(笑)ただ、「Emotion」のジャケットのミッチを見て、よだれを垂らすという ていたらくぶりな態度を取った友人の浜田(仮名)には鉄拳制裁を加えましたが。
以上のように 「音楽」を手にする…ということは20年前は本当に苦労していたものだと思います。
高校生のときに 次の時代の録音=「コンパクト・ディスク」が開発される…という
話を誰からか、聞いたことがあって、その登場を楽しみに待っていました。
そして登場。ちなみに登場する直前、そう、ビデオでVHSとβの2通りの方式があったようにCDにも2種類の記録方式があったそうだ。で、これは何かの本で読んだことなのですが、録音時間がが長い日本のSONYの規格が世界規格になったそうで、それはロシアの有名な指揮者「カラヤン」(からやん…と書くと関西の人みたい)が自分が指揮する「第九」(だったかな?)の演奏時間が長時間で、それを記録できる規格にしろと、言ったとか 言わないとか…?
このCDの登場で日本の音楽市場は大きく変わったと思います。「音」が良い!のは当然。それよりも取り扱いが楽なこと。これが一番大きいのではないかな?昔では考えられないでしょう?レコードを買ったけど、家に帰ってからテープに録音して、それから彼女と車でデート…だったのが、店でCD買って そのまま車の中で音楽が聞けるんだから。つまり「音楽」はここでブレイクし、身近なものになったわけだ。だから人はテレビ、ラジオなどで最新の音楽を入手していたのが、いまは聴きたければすぐに聴けてしまうようになったものだから、当然音楽番組は視聴率が下がりますよね。歌番組が少なくなって行く。おまけに日本の心「演歌」まで道連れにして…。

昔、私が好きな曲をいっぱい詰め込んだカセットが、部屋のどこかに眠っているはずなんだ…。
いつか、探し出して、ゆっくり聞いてみたい心境です。







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