その日は日差しがとても気持ち良かった。
祐巳はお弁当を食べ終えると、う〜んと背伸びをした。
そして、あくびもひとつ。

「うぅ、眠たくなっちゃった……」

お誂え向きに下は柔らかそうな草。
祐巳は少しお昼寝でもしようかと考えた。

「祐巳さま?」

とその時、後ろから声を掛けられた。

「こんな所にいらしたんですか?」

その人物は何だか不機嫌そうだ。

「探したんですよ?」

そして、どうやら不機嫌なのは自分の所為らしい。

「何か用事だった?」
「べ、別に、これといってないですけど……」

祐巳がそう聞くと、相手は口篭ってしまい、プイッとそっぽを向いた。

「そう。なら、座ったら。乃梨子ちゃん」

祐巳はポンポンと自分の隣を示した。

「はい……」

すると、乃梨子はオズオズと祐巳の隣に腰を下ろした。
その時、乃梨子の横顔をチラッと覗き見た。
乃梨子の頬は薄っすらと桃色だった。

さっき、口では乃梨子に、何か用かと訊ねた。
だが、祐巳には乃梨子が自分を探していた訳が、何となく予想がついていた。

「ねぇ、乃梨子ちゃん。私を探していたのは、私にただ会いたかっただけなんでしょ?」
「なっ?」

先日、乃梨子に好きだと告白された。
祐巳もずっと乃梨子が好きだったので、二人は付き合うことになった。
そうして、付き合ってみて分かったのだが、乃梨子は相当な甘えん坊だ。
二人きりになると、直ぐに祐巳にくっついて甘えたがる。

「べ、別に、そんなことありませんっ」

尤も、それを簡単に認めるほど素直ではないけれど。

「それで、祐巳さまはこんな所で、一人で何をされていたんですか?」
「ん?別に、ただお弁当を食べていただけだよ?」
「一人で、ですか?」
「うん、一人で。こんなに気持ち良い天気なんだし。一人でゆっくりするのも悪くないかなって」
「でしたら、私はお邪魔ですか?」
「ううん。そんなことないよ。だって……」

そこで、祐巳は素早く乃梨子の膝に頭をのせた。

「えっ?」

乃梨子はびっくりして祐巳を見た。

「乃梨子ちゃんがいてくれると、枕になってくれるからね」
「わ、私はそんなこと一言も言ってません」

真っ赤な顔で抗議する乃梨子。
しかし、乃梨子が嫌がっていないことを、祐巳は知っている。

「う〜ん、良いものだね。空は青いし、日差しはポッカポカ。それから……」

祐巳は乃梨子の頬。
そして、髪をゆっくり撫でた。

「大好きな人の膝枕」

祐巳がそう言うと、乃梨子は顔を真っ赤に染めた。

 

 

―――――――――――――――

あとがき

どうも、御神楽 華音です。
いや〜、祐巳×乃梨子のカップリングは久しぶりな気がしますよ〜。
まぁ、実際久しぶりなんですよね……。
サイト自体、結構放置してましたから……。
学期末って、忙しいですよね?(言い訳です)

今回は短いので、大体40分程で書きました。
こんなほのぼのとした話は自分的には結構好きです。
みなさんにも気に入って頂けると嬉しいです。

さて、ここまで読んで頂きありがとうございました。
暑い季節ですが、夏バテ、日射病等にはお気を付け下さい。
では、またの機会がありますことを、お祈り申し上げます。


20060716 御神楽 華音

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