お〜っと、こいつはラッキー!
夏、万歳!!
肌ざわり、胸さわぎ
…なんて言ってる場合じゃなくって。
「どうしたんですか?」
「えっ!?な、なんでもないよ」
今日の桜乃ちゃんは…いや、ま、夏だから…。
ノースリーブから出る白い腕が…じゃなくって。
裸足のサンダルが…サンダルの裸足が…。
っていうか、なんというか…。
「あの…?」
「いっ!?や、あ…ごめんごめん」
「暑い…ですか?」
「ん〜、そういや暑いかもね…」
…別の意味でね。
「あ、あそこに木陰がありますよ」
「ホントだ!こいつは…」
「『ラッキー』ですね」
そう言って、笑われてしまっては。
むぎゅっ。
「せ、千石さんっ!?」
抱きしめずにはいられないよ。
「いや〜、ホントに桜乃ちゃんはカワイイ。激カワイイ」
「千石さんっ、…皆さんが見てますよっ」
「ん〜、…んじゃ見せびらかしちゃえっ!」
「えっ!?」
更に強く、それはもう。
むぎゅ〜〜〜〜〜っ、と言わんばかりに抱きしめた。
「…桜乃ちゃん?」
「……………」
「桜乃ちゃんってば」
「……………」
木陰の下で頭を下げる俺。
お姫様をご機嫌斜めにしてしまった。
ニコリとも笑わず、ウンともスンとも言わない。
「ごめん!桜乃ちゃんっ!俺が悪かったよ!」
「……………」
…これは…マジで怒ってるかもしんない。
つーか、マジで怒ってんだ。
「…ふふっ」
「え?」
頭を抱え込む俺の耳に、笑い声が飛び込んできた。
「…桜乃…ちゃん?」
「怒ってないですよ」
「え?」
「ちょっと意地悪しちゃいました」
本当に本当に…。
心の底からほっとした。
「…千石さん?」
「…マジで焦ったんだからね」
「え?」
「桜乃ちゃんが許してくれなかったらどうしよう、って…マジで思ったんだからね」
と、桜乃ちゃんの頭が肩の上に置かれた。
地面にへばり着いてる俺の手に、手が重なる。
「ちょっと…意地悪し過ぎましたか?」
「うん、意地悪。…桜乃ちゃんの意地悪」
泣き真似をする俺。
それを見て笑う桜乃ちゃん。
つるつるの腕が俺の腕に触れる。
そこから、ざわっとさざ波が立ったみたいになった。
「…別の意味でも意地悪」
「え?」
「…なんでもない」
亜久っちゃんならどうするだろう?
答え:そのまま襲う。
南ちゃんならどうするだろう?
答え:何もしない。
俺は亜久っちゃんよりの、南ちゃんキャラだから…。
答え:襲いつつ何もしない。
…ってことで。
俺流にいかせて貰うよ、桜乃ちゃん。
■■■■■
キヨヒメ同盟用千桜第1弾です。
果たして第2弾があるのかどうか、も不思議ですが…ある方向で…。
どうもキヨが男前に書けず、悪戦苦闘…。
なんでチャラチャラチャラ男になってしまうのか…。
寧ろオヤジ…。
百万が一、これで『千桜いいかも』と思った方。
是非ご参加下さい(宣伝)。